なんだか最近、めっきりと冷え込むようになった。
朝、布団から出るのが億劫で、着替える間もついつい歯が鳴ってしまう。エアコンをつけるほどではないけれど、この足元からじんわりとくる寒さには、毎年悩まされているのである。
そんな折、ひょんなことから小さな電気ストーブを一つ、手に入れることになった。
届いた箱を持ってみて、まず驚いたのがその軽さだ。これなら家のどこへでも、ひょいと持ち運べる。それに値段を聞いて、また驚いた。三千円と少し、というのだから、たいしたものである。最近の電化製品は、どうしてこうも安くて気が利いているのだろうか。
早速、仕事机の下に置いてスイッチを入れてみる。
すると、まさに「一瞬」という言葉がぴったりの速さで、ふわりと温かい空気が足元に広がった。昔ながらの、あのオレンジ色の光がなんとも懐かしい。ヒーターは上下に二本ついていて、片方だけつけることもできるらしい。おかげで、ちょっと足先が冷えるな、という時には下だけを四〇〇ワットでつければ、それで十分なのだ。こういう、ささやかな心遣いが嬉しいではないか。
この軽さと即暖性をいいことに、冬場の悩みの種だった脱衣所にも、お風呂に入る少し前に持って行っておくことにした。おかげで、湯上がりにブルブルと震えることもなくなった。これくらいの値段で、日々のちょっとした不快が一つ解消されるのなら、実にお買い得だと思う。
エアコンのように風が出ないので、空気が乾いて喉がからからになることもないし、なにより音がしないのがいい。静かな部屋で一人、本を読んだり仕事をしていると、エアコンの作動音というのは、存外気になるものなのだ。それがこのストーブには一切ない。ただ静かに、そこにあるだけで、部屋全体がほんのりと温まっていくような気がする。詳しい仕組みはわからないけれど、体の芯からじんわりと温まる、そんな心地よさなのである。
もちろん、火の気があるものだから、取り扱いには注意が必要だ。けれども、この薄さで場所もとらず、必要な時にすぐ温めてくれる働きぶりを考えれば、これはなかなかの優れものだ。もし壊れるようなことがあっても、この値段なら諦めもつくというもの。
「絶対にあった方がいい」などと、大声で言うつもりは毛頭ない。けれど、もし冬の朝の身支度や、底冷えのする台所仕事、机に向かう時の足元の寒さに、毎年小さくため息をついている方がいるのなら、「こういう選択肢もあるのね」と思っていただけるかもしれない。
もし気になる方がいれば、こちらからどうぞ、などと付け加えておくことにしよう。
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